2013.03.27更新

縁下カリエス
一度治療した歯の根や冠との境から、二次的な虫歯が進行することがあるというお話をしましたが、今回は金属の土台を除去したところの画像をお見せします。


除去前のデンタルX線画像

右上の第一大臼歯と第二大臼歯の冠と根の境が大きく開いているのが認められます。
冠との境からカリエスが進行していることが疑われます。

 
   冠除去前                  冠除去後

冠を除去すると金属の土台の下に黒く虫歯が広がっているが見えます。しかし、金属の土台の下がどのぐらい虫歯になっているかは、この状態では確認できません。


支台除去後の画像

金属の土台を除去すると、歯の後方から内側にかけて虫歯が広がっており、歯肉の縁から3~4ミリ程度下方に歯の端が認められます。
このままでは、感染した歯質をきれいにして,しっかりと土台を装着することができません。
ディスタルウェッジという歯周外科l処置を行うことで、この歯を保存することができます。
第二大臼歯後方の歯肉は厚く、歯肉溝(歯と歯肉の間にある溝)が深くなっています。
歯肉の厚みを薄くして、この溝を浅くすることで、このような状況も改善できます。
歯周外科処置後の画像が撮影できた時に、この後の処置についてお話したいと思います。


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2013.03.23更新

診療チェアーからの桜

東京でも桜が満開になりましたね。
診療室の前に公園があります。その周りに桜が植えてあり、毎年この季節は桜を楽しめます。
チェアーから窓を見上げると、満開の桜が見えます。



残念ながら明日の日曜日は、天気があまり良くないようです。


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2013.03.16更新

診療機器ー多目的超音波治療器

前回は、口腔外バキュームという診療の為の機器をご紹介しましたが、今回も別の機器を御紹介します。
多目的超音波治療器

 
2種類の超音波治療器      

この機器は、歯石除去や清掃など予防処置の目的、歯周ポケット内の処置、根管治療の時に根管を形成、洗浄したり、根管内の異物や充填材除去、また歯牙の形成時にも使用します。

先端チップ


歯石の除去等に使用します。


根管処置に使用します。



歯牙の形成に使用します。

このように先端に装着するチップを目的に応じて変えて使用します。
用途が多くある為に、当院では最も多く使用する機器の一つです。




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2013.03.13更新

口腔外バキューム

歯科医院では多くの診療機材を使用しますが、診療チェアーの周辺には空気をきれいに保つ為の機材があります。



歯を切削すると、細かな粉塵が空気中に舞います。また歯に装着する補綴物を調整する為に削る時にも、細かな粉塵が出ます。義歯や、仮歯の調整ではかなりの削り粉が空気中を舞ってしまいます。

患者さんのお口の外で出来るだけ粉塵を吸い込む為に口腔外バキュームが活躍してくれます。
歯の切削だけではなく、先ほど説明した調整時にもかなりの粉塵を吸い込んでくれます。
患者さん、診療スタッフ、歯科医師の健康を守る上でも重要な働きをしてくれます。

今は丁度、花粉症の季節ですが診療室の空気全体をきれいに保つ為には空気清浄機が活躍してくれます。
PM2.5でも話題になっていますが、細かな粒子と花粉を一緒に吸い込むとアレルギー症状が強くなるそうです。

           
口腔外バキューム        空気清浄機


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2013.03.09更新

咬み合せと顔貌(がんぼう)

歯を治す場合、咬み合せの高さが合わないと不快ですが、それだけでなく、筋肉や顎の関節のバランスが悪くなり、悪影響を及ぼします。1本、2本の歯を治す時は、他の歯が咬み合うので、その咬み合っている位置を参考にして歯をつくります。しかし多数歯を治す場合は、参考となる咬み合せの位置や高さがないので、幾つかの指標となるものを頼りにつくります。

新たに設定した咬み合せの位置が左右、前後にずれていると咬みにくく、顎が痛くなることがあります。また高さが大きくずれていると、筋肉、関節だけでなく、顔貌(がんぼう)にも大きく影響します。

特に無歯顎や多数歯を失った患者さんでは、咬み合せが低すぎると老けて見えてしまいます。
1 鼻の下から顎の先までの距離が短くなる
2 唇の両脇がかぶさって、しわが深くなる
3 ホウレイ線が深くなる
4 上唇の周りに細かなしわがよる
このような理由から、咬み合せが低くなると顔つきが老けてしまいます。

咬み合せを確認する作業時に最終的には、顔貌を見て決めます。実際の症例でお話しましょう。



臨床症例
多数歯欠損で上、下顎に義歯を装着する症例です。(女性 66歳)
数本の歯が残っていますが、すれ違い咬合と言って、残っている歯同士は全く咬み合いません。
   
   右側           正面           左側



咬み合せを記録する時や、完成前の最終チェックでは、顔貌の指標を使って確認をします。
  a(鼻の脇から下顎の先までの距離)  =  b(眼から唇の脇までの距離)
a と b の距離が同じぐらいの状態で咬み合せの位置を決めると、顎の関節も安定した位置にあり、顔貌も自然で歯を装着する前に比べて若返ったようになります。

 

上下の唇のバランスが良く、唇の周囲に細かなしわがありません。口角(唇の両端)も自然で、横から見たときの上唇周囲のハリも自然できれいです。

歯をいれる前と歯を装着した時の顔貌を比べて良くなることは、とても大切です。
顔つきが変わることで、表情も豊かに若々しくなることも稀ではありません。
噛めるようになるという、機能面での改善は当然のことですが、若々しく、表情がいきいきとなる顔つき、審美性を取り戻すことも、とても重要です。


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2013.02.27更新

縁下カリエス
治療をした歯でも、詰めた物や被せた冠の縁からムシ歯ができて広がる場合があります。原因としては、うまく歯ブラシが出来なかった場合、残っている歯質がかけてそこからムシ歯ができてしまう場合などいくつか考えられます。

臨床例
主訴:食べ物がつまるようになった。 口臭が気になる。

初診時のX線診査と口腔内検査で、右側の奥歯に歯肉縁下に広がるムシ歯が認められました。


初診時パノラマX線画像

   
右側上顎第一、第二大臼歯       右側下顎第一大臼歯

パノラマX線とデンタルX線画像から治療して被せた冠の縁からカリエスが進行していることがわかります。
ここに食物がつまったり、口臭の原因と考えられます。

   
上顎第一、第二大臼歯口蓋側      下顎第一大臼歯舌側

右側上顎第一、第二大臼歯と右側下顎第一大臼歯の冠をはずして、再治療をすることになりました。

   
上顎第一大臼歯              上顎第二大臼歯

冠を撤去すると残っている歯質に二次カリエスが歯肉縁下に進行していました。
今回は、感染牙質を除去して根管治療、支台築造を行えば歯を保存できます。しかしもう少しカリエスが縁下へ深く進行していたら、抜歯となってしまったケースです。

神経を取って無髄歯となった歯は、新たにムシ歯ができても、しみたり、痛みを感じるような症状がありません。
定期的な検診を受けて、カリエスの早期発見をすることで歯を守ることはとても大切です。


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投稿者: 小林デンタルオフィス

2013.02.20更新

二次カリエス

口腔内の審査では発見出来ないムシ歯がX線画像の診断によって発見することが出来ます。
右側第一大臼歯には古いアマルガム充塡がありますが、口腔内審査ではカリエスは認められません。


   口腔内画像

パノラマX線画像で充塡下にカリエス様の透過像を認めたので、デンタルX線を撮影し、近心の隣接面にカリエスがあることを確認しました。
  
  デンタルX線画像         パノラマX線画像(右側)

古いアマルガム充塡を除去してみると、二次カリエスが進行していました。このまま放置されていると、ムシ歯は大きくなって歯髄炎を発症するまで自覚することはないでしょう。

  充塡物除去後の画像

ムシ歯をきれいに除去し、一層のグラスアイオノマーを窩洞に充塡してから形態を整えて、型を採りました。




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2013.02.16更新

セラミックとシェードテイキング

セラミックを使用して治療する場合、前回ご説明したように、周囲の歯と色調を合わせることで,自然に美しく修復することが出来ます。症例で実際に治療をする前と後でどのように変わったかをお見せします。

この症例は、矯正治療できれいな歯並びになりましたが、リテーナーの使用を怠った為に後戻りがあり、約2年で矯正治療をする前と同じような歯並びに戻ってしまいました。また矯正治療中に多数のむし歯もできてしまいました。

これらを改善する為に、ラミネートベニアという方法を用いて治療することになりました。患歯の表面を薄く削り、セラミックの薄いシェルを作製して、強力に接着させる方法です。


      術前正面観


      術後正面観



   術前右側面観                       術前左側面観


   術後右側面観                       術後左側面観  


このように、歯の最小限の削除量で歯並びや形、色を自然な状態に戻すことが出来ました。

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2013.02.13更新

シェードテイキング
歯科治療では、セラミックを使用することで審美性が高く、きれいに治療をすることができるようになりました。
しかし、治療する歯の色調を周囲の歯とあわせて製作しないと不自然な状態になってしまいます。
そこで、印象採得をして補綴物を製作する際に周囲の歯の色調を伝えて、出来るだけ同じように製作してもらいます。
以前は、文書だけで指示をしていましたが、最近は画像を添付して視覚的にも情報を伝達します。デジタルカメラの進歩により、印象や模型とともに、画像を一緒に送ることができるようになったので、周囲の歯と調和のとれた審美性の高い治療ができるようになりました。

歯と一緒に写して、色調の指標となるシェードタブ
 

実際のシェードテイキング

     術前画像


     仮歯装着

 
シェードテイキング A2      シェードテイキング B2


       最終補綴物 完成 




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2013.02.09更新

再治療
20年以上前に治療された上顎右側第一大臼歯の再治療を行うことになりました。
被せてある冠と歯の境目が露出して段差が大きい為に磨き残しの原因になっています。
また根管治療を再度行う必要もあります。
現在装着してある、冠、土台を除去して根管治療を予定しています。
根管治療が終了した後は、土台をたてなおし、冠を新しく作製して装着します。

 
     口蓋側画像            頬側画像


   初診時X線画像

冠を除去すると隣の第二大臼歯の隣接面(近心側)にカリエスが認められました。

 第二大臼歯近心カリエス

X線画像では、あまりはっきりと写っていませんでしたが、隣の冠を除去したことにより比較的初期の段階でカリエスを発見できました。次回、感染歯質を除去して、コンポジットレジンを充填し1回で治療は完了する予定です。

 
   除去前の画像           仮歯装着時の画像
冠を除去する前に簡単な型取りをして、除去後にその型を利用して仮の歯を口腔内で作製します。
根管治療を行っている期間、そして最終的な冠が装着される迄は、この仮歯を使用していただきます。



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投稿者: 小林デンタルオフィス

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