2012.12.19更新

歯はかなり硬いものですが、歯と歯がすり合わさることで磨耗します。犬歯など、前歯の先端が磨り減って短くなったり、奥歯の噛む面の山がだんだん平らになっていきます。長年、強い喰いしばりや歯軋りが続くとこのような事がおこり、元々正常であった咬み合せの歯が強くあたるようになってきます。


当院に来院された患者さんのX線画像と口腔内画像です。

 

右側上顎小臼歯部に痛みと、冷たいものや熱いものが時々しみるということで来院されました。
X線画像と口腔内の診査からムシ歯はありませんでした。
前後の歯や反対のかみ合わせの歯にもムシ歯はりません。
咬み合せをみると、小臼歯2本が前後の歯より強い当たりが認められます。
顎を前後、左右に動かしたときにも強く当たっていました。
第一小臼歯の骨も少し吸収して減っています。

 
上顎右側の犬歯切縁は平らに磨耗しています。元々は右の画像の黒く塗った部分に歯があったはずです。

 
左画像は、普通に上下の歯をかみ合わせた時の状態です。
右画像は、すこしずつ下の顎を右へずらしていったときの画像です。
磨り減って平らになった上下の犬歯がぴったりと合っています。



右側上顎の犬歯の内側をみると、凹むように磨り減っており、表面は磨き上げた後のひかりかたをしています。

歯の磨耗は、単に表面が磨り減って平らになるだけではなく、歯とその周囲の骨に影響を及ぼし、進行すると抜歯しなければならない状態にもなります。

口腔内を定期的に検査をして、病態が進行する前に適切な治療を受けましょう。


by 小林デンタルオフィス 池袋本町 北池袋 歯科

投稿者: 小林デンタルオフィス